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楽天・バンガード・ファンド(VT・VTI・VWO・VYM)の実質コストは本当に高いのか?

楽天・バンガード・ファンド(VT・VTI・VWO・VYM)の実質コストが高いと一時期話題になっていました。

期待されているファンドであるだけに落胆の声があちこちで聞こえてきました。

楽天・バンガード・ファンド(VT・VTI・VWO・VYM)の実質コストは本当に高いの?
そもそも実質コストってなに?

本記事ではこういった疑問に答えます。

先に結論をまとめると、

楽天・バンガード・ファンドの1期目の実質コストは高かったです。
しかし、これは「売買委託手数料」の計算方法に起因するもので、2期目以降の実質コストは下がると予想されます。

詳しくみていきましょう。

実質コストとは信託報酬と隠れコストの合計

投資信託には、信託報酬以外にも隠れコストというものが存在します。
そして、信託報酬と隠れコスト合わせたものを実質コストと呼びます。

これが、投資家が実際に負担するコストです。

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  • 信託報酬以外にも隠れコストが存在する
  • 実質コスト = 信託報酬 + 隠れコスト

下は楽天VTの目論見書です。
赤枠で囲った部分に信託報酬が記載されていますね。

楽天VTの信託報酬
楽天・全世界株式インデックス・ファンド目論見書

信託報酬の下の段を見てください。

楽天VT目論見書。その他の費用

その他の費用・手数料というところに様々な項目が挙げられています。
これらが隠れコストの正体です。

隠れコストの中には、例えば「組入有価証券の売買に発生する売買委託手数料」というものがあります。

投資家がファンドの購入をすると、運用会社はそれに合わせて株式やETFを買います。
この時に売買手数料が掛かるので、これをファンドの保有者みんなで負担するのです。

これらの費用は運用結果次第なので、目論見書に具体的な数値は載せてありません。

それでは、隠れコストも含めた実質コストはどうやって確認すれば良いのでしょうか?

実質コストの確認方法

実質コストを確認するには、運用報告書を見る必要があります。
この中に、1万口当たりの費用明細が載っています。

下は楽天VTIの1万口当たりの費用明細です。

vti-meisai
交付運用報告書

赤く囲った部分が実際に掛かったコストです。

ただし、期間が2017年9月29日〜2018年7月17日となっており、1年経っていないので年換算する必要があります。

費用明細の青枠の部分を見ると信託報酬は0.097%となっています。
これは、バンガード社のVTIのコストを除いた値になっています。

交付目論見書において、バンガード社のVTIのコストを除いた信託報酬は0.1296%となっています。


交付目論見書

ここから、年換算するための倍率を計算します。

年間補正のための倍率
約1.336倍 = 0.1296(目論見書の信託報酬) ÷ 0.097(費用明細の信託報酬)

この倍率を使って、費用明細の計0.203%を年換算に補正します。

0.271% = 0.203 x 1.336

楽天VTIは、バンガード社のVTIを購入しており、バンガード社のVTIのコスト0.04%を足します。

0.311% = 0.271 + 0.04
0.311%が楽天VTIの実質コストです。

この費用は、簡易的に年換算したものなので実際の実質コストとは異なります。
しかし、大まかな費用を計算するのに役立ちます。

楽天・バンガード・ファンドの実質コストは高い!?

楽天・バンガード・ファンドの実質コスト一覧

前述の方法で、楽天・バンガード・ファンド(VT・VTI・VWO・VYM)の隠れコストと実質コストを計算すると下の表のようになります。

楽天・バンガード・ファンドの隠れコストと実質コスト
ファンド名 信託報酬 隠れコスト 実質コスト
VT(全世界) 0.2296% 0.2724% 0.5020%
VTI(全米) 0.1696% 0.1414% 0.311%
VWO(新興国) 0.2696% 0.3312% 0.6008%
VYM(高配当株) 0.20960% 0.25747% 0.46707%

実質コストが信託報酬をだいぶ上回っていますね。
なぜこんなに高いのでしょうか?

実質コストが高いのは運用期間が関係している

投資家たちが困惑しているのを察したのか、楽天投信投資顧問株式会社から、運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について(pdf)という資料が発表されています。

資料の内容は、「売買委託手数料の金額が大きくないですか?」という投資からの質問に対しての回答です。

売買手数料は、投資信託協会規則に則って次のように計算されます。

売買委託手数料
売買委託手数料 = 期中の売買委託手数料 ÷ 期中の平均受益権口数

分子の「期中の売買委託手数料」は、期中に発生したETF売買の手数料の累積です。

楽天・バンガード・ファンドは、ファンド内部でバンガード社のETFを買い付けるので、その売買手数料の合計ということです。

分母の「期中の平均受益権口数」は、期中の各月末現在の受益権口数の単純平均が用いられています。

期中の平均受益権口数の計算は少しクセがあるので詳しく解説します。

次の図のようにファンドの受益権口数が増えたとします。


運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について(pdf)

この時、平均受益権口数は下のように計算します。

第1期は、0から100億口から増えています。

第1期の平均受益権口数
50億口 = (0 + 100) ÷ 2

第2期は、100億口+200億口へ増えています。

第2期の平均受益権口数
150億口 = (100 + 200) ÷ 2

第1期と第2期で、受益権口数の増加数が同じでも平均受益権口数が全然違います

ここで、第1期と第2期の期中の売買委託手数料がどちらも500万円だったと仮定すると、売買委託手数料は次のようになります。

第1期の売買委託手数料
10円 = 500万円 ÷ 50億口 x 10,000
第2期の売買委託手数料
3.3円 = 500万円 ÷ 150億口 x 10,000

売買委託手数料が3倍以上も違います。

楽天バンガード・ファンドは、運用開始から間もないので平均受益権口数が少なく、売買委託手数料が高くなっているようです。

それが原因で実質コストが高くなっているのです。

運用開始して間もないファンドに関しては、実質コストは必ずしも実態を表していないのかもしれません。

2期目の実質コストは下がると予想!

2019年1月31日に、楽天投信投資顧問株式会社から運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過についてが開示されました。

2期目の途中経過の開示で、2018年7月18日~2019年1月17日が対象期間です。

楽天VTと楽天VTIの1万口当たりの費用明細から実質コストを前述の方法で計算すると、それぞれ0.342%、0.2445%です。

1期目と比較すると、明らかに減っています。

楽天VT: 0.5020% →0.342%
楽天VTI: 0.311% → 0.2445%

途中経過の対象期間は半年ほどなので、上の計算結果は正確なものではありません。
しかし、かなりのコスト改善が見込まれそうです。

バンガードETFの経費率が改定!低コストにさらに追い風

【2019/2/27 追記】
バンガード社より、ETFの経費率改定のお知らせが出ました。
参考 2019年バンガードETFおよび米国籍投資信託の経費率改定のお知らせ

それによると、VT、VWO、VYMの経費率は下のようになります。

バンガードETF 経費率改定
ティッカー 改定前 改定後
VT 0.10% 0.09%
VWO 0.14% 0.12%
VYM 0.08% 0.06%

わずかな差ではありますが、確実に運用パフォーマンスの障害となる経費率が下がったのは大変嬉しいことです。
バンガードETFの経費率が下がる事で、楽天バンガードファンドの実質コストも下がります。

ますます今後に期待ができます!

これからも私は楽天・バンガード・ファンドを応援していこうと思います。